11月10日、原発事故避難者に無料健康診断等の滋賀県独自の支援策を行うようもとめて、つどいを開きました。

講師は、2006年3月、日本で初めて稼働中の原発(石川県 志賀原発)の運転差し止めを認める判決を下した元金沢地裁裁判長の弁護士 井戸謙一さん。
「福島の現状からみる避難の権利確立と国連グローバー勧告の意義」と題してお話をしていただきました。

原発事故被災地の子どもたちの間では甲状腺がんだけでなく、心電図の異常や高血圧、糖尿病、白血球数の異常などさまざまな健康被害がみられます。そして、被災者には憲法25条(生存権)、憲法17条(賠償責任)、憲法前文「恐怖と欠乏から逃れ、平和のうちに生存する権利」などから避難の権利があります。
昨年6月「子ども被災者支援法」が成立したにもかかわらず、政府はその具体化をサボタージュし、約5千件のパブリックコメントをも無視し、今年10月に内容を骨抜きにした「基本方針」を策定しました。立法機関が決めたことを政府が骨抜きにしてしまった許しがたいことです。

国連は昨年11月に行った調査に基づき23項目の勧告(国連グローバー勧告)を日本政府に対して行いました。しかし、政府の回答は問題のすり替えと開き直りに終始したものでした。

水俣病や原爆症に対して国がとってきた態度は、①因果関係を否定する。否定できないときは範囲をできるだけ限定する。②そのため事実調査をさける。③もし裁判で負けても原告にだけ賠償すればよい-というものでした。原発事故で同じやり口を許してはいけません。事実を明らかにし、みんなで声を上げることが必要です。

放射能が心配な地域に住む子どもたちの保養プロジェクト-びわこ☆1・2・3キャンプのスタッフの方から報告がされました。屋外で遊ぶ経験がなく、すぐ疲れたり鼻血を出したりする子どもや自転車に乗れなかった子どもがみるみる元気になっていきます。病気を未然に防ぐためにも保養は必要で効果的です。

つどいは、避難者への健康診断や住宅、就労支援、そして子どもたちの保養プログラムへの助成を求める滋賀県知事あて署名の取り組みや、県交渉への参加をよひかけた他、特定秘密保護法に反対するアピールを発して終わりました。