大地震+原発事故⇒避難は無理です |
熊本地震で家屋が倒壊し屋内待避ができない状況となったことから、5月19日、関西広域連合が、国に対策を求める方針を決めました。
この日の広域連合の会議で、三日月滋賀県知事は「屋内にとどまれない場合を想定し、対策を検討すべきだ」と述べています。(19日 京都新聞)
また、滋賀県は24日提出した政府への要望書の中で、大地震と原発事故が同時に起こった際の屋内待避が可能か研究するよう提案しました。三日月知事は「余震が続き屋内待避は困難という状況を踏まえた避難計画の検討を」と環境省に求めたということです。
高浜原発に近い舞鶴市で開かれた避難計画の住民説明会でも「熊本と同じ地震が来れば屋内避難できない」と批判の声が上がっていました。
国の指針では原発から5~30キロ圏内は屋内待避で放射能を防ぐことになっています。しかし、熊本地震のような大地震が来れば屋内待避はできません。鉄道がとまり道路が寸断されれば逃げることもできません。避難計画は役に立たないのです。
老朽原発20年延長再稼働は言語道断!
原子力規制委員会は運転開始から40年を超える老朽原発である高浜原発1、2号機に規制基準適合の判断を示しました。実に恐ろしいことです。
40年も中性子線を浴び続けた原子炉圧力容器はもろくなり、事故時等に緊急炉心冷却装置が働き炉心が急に冷やされるとひび割れを起こす恐れがあります。熊本地震のような強い揺れが繰り返される地震に、脆弱化した原子炉や複雑な配管が耐えられるでしょうか。
福島原発事故発生当時、1号機は約40年、2号機・3号機も35年以上経過しており、耐震性の劣化が地震による破損につながった可能性が指摘されています。この福島事故の教訓に立って40年ルールができたわけです。
原子力規制委員会の田中委員長はこんなことを言っています。
「法律の趣旨を考えても、四十年を経た原発は、厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させないという姿勢で臨むべきです」「四十年というのは、1つの技術の寿命としては、結構、そこそこの長さだというふうにお答えしました。当初、それを開発してつくった人たちも、ほぼ卒業するような人間であります。…四十年前の設計は、やはり今これからつくろうとする基準から見ると、必ずしも十分ではないというところがあります」
それなら、特別あつかいせずに廃炉にすべきでしょう。
名古屋地裁で高浜1、2号機の認可を差し止める訴訟が起こされています。そもそも規制基準はゆるゆる。しかも特別あつかいの裏口合格。訴状などこちらを参照ください。
→訴訟資料 ©2016高浜原発行政訴訟弁護団