2016年 03月 15日
原発のない社会へ 2016びわこ集会に1500人 |
3月13日(日)、原発のない社会へ 2016びわこ集会は、大津地裁で高浜差止め決定が出された直後ということもあって、1500人の参加で盛り上がりました。
(ちなみに去年は1000人でした。)
集会の基調報告を高浜差止め仮処分の住民側弁護団長の井戸謙一弁護士が行いました。大津地裁決定の2つの特徴についてはじめにお話しされましたので、その部分をほぼそのままお知らせします。
「史上はじめて司法の力で、現実に動いている原発が止まりました。画期的なことです。それは、勇気をもって申立人になった人たち、支えた人たち、全国で原発ゼロを希求しているたくさんの人たちの力の賜物です。みんなの思いが裁判官の魂を揺さぶったのだと思います。早速、右翼ジャーナリズムが攻撃をしています。サンケイ新聞は『常軌を逸した判決』と見出しに書きました。山本裁判官は、たとえ批判されようと、自分の判断を多くの市民が支持してくれている、そう思ったからこそ思い切った判決が出されたのです。だから、これは日本中の原発のない社会を希求している人たちの力の賜物であることを確認したいと思います」(拍手…)
こう語り始めた後、決定の特徴に触れます。
「決定の特徴を2点お話します。これまでの裁判では、電力会社が立証すべきことは、規制基準に合致しているという判断を得たということだけだったのです。しかし、今回は、それだけではダメだと、大変な事故を経験したのだから、それによって規制内容がどう厳しくなったのか、新しい規制内容に関電がどう応えたのか、それを裁判所にわかるように説明すべきだ―福島の経験を踏まえてそういう新しい枠組みを作りました。そして関電がそれをしていないことが差止めの大きな理由になりました。
振り返って考えると、福井地裁の樋口裁判長は福島の事故の経験を踏まえて、万が一にも同じことが起こる危険があるなら差し止めなければならない、それをしないのは裁判所の責任放棄だと言いました。一方、昨年の仮処分を取り消した林裁判長は、福島の事故の教訓を全く判断内容に生かしていません。事実として福島事故が起こったことは書かれていますが、それが判断内容に、教訓になっていない。こう考えると、裁判官が福島事故を真摯にとらえて、どう教訓化して判断内容に取り込んでいくのか、その姿勢の有無が決定の結論を分けるということがよく分かった。これが1つめです」
「2つめ。差止め理由のうち、一番大事なのは避難計画の問題だと思います。これがどれだけ重要な意味をもつか説明します。避難計画が地方自治体に丸投げされ、国は責任ある立場で関与しない、規制委員会は審査の対象にしないんですね。それは誤りであると、国が避難計画を盛り込んだ規制基準をつくることは信義則上の義務であるとまでいいました。
福島事故の後、原子力基本法という一番大事な法律が変わっています。何が書き加えられたかというと、法律の目的は国民の生命、健康、財産を守ること、環境を保全すること、そのために国際基準に則らなければならないと法律に書いています。国際基準は何かというと、IAEAの深層防護という考え方です。5層の防護ともいいますが、①トラブルを起こさない ②起きても拡大しない ③過酷事故に至らせない ④過酷事故が起きてもできるだけ小さくする ⑤避難計画で住民を守る、これらはそれぞれ独立していなければならないと考えられています。日本の安全基準は3・11以前は3層までしか審査しませんでした。日本で過酷事故は起こらないことになっていたからです。だから4層のシビアアクシデント対策、5層の避難計画は審査の対象となっていなかった。これがダメだいうことで新基準ができたが、4層は取り込みましたが5層は取り込んでいません。シビアアクシデント対策は審査の対象となりましたが、避難計画は対象になっていない。だから、これは国際基準に則っていないんです。原子力基本法に違反しているんです、今の新規制基準は。」
「けれども申し立てを却下する決定はこのことを説明しなければいけません。それで川内原発の仮処分決定は、適切な避難計画は確かに要件であり、自治体はそれぞれ計画を立てていて合理的で実効性があると言ったんです。しかし、そう思っている人はほとんどいない。地元の人は、いざとなったら役に立たないとみんな言っています。極めて非常識な判断を鹿児島地裁はしました。
昨年末の福井地裁は、関電は3層までの対策をしっかりしているから過酷事故が起こることはまず考えられない、だから4層、5層は審査しなくていい、と言った。IAEAの5層の防護に反していて原子力基本法に反する考え方です。
今、裁判所が運転を認めようと思ったら、避難計画の問題について実効性ある計画ができているという非常識な判断をするか、審査しなくていいという国際基準と原子力基本法に反した判断をするか、どちらかしかない訳です。
この問題に大津地裁は正面から、(5層を)取り込んでいない今の規制基準は違法である、ダメである、これに取り組むのは国の義務であると言っています。全国で行われる差止め裁判に大きな影響を与えます。市民の力で差止め判決が出るのが現実的可能性になってきた。今まで原発を差し止めるのは、変わった裁判官とか、よほど決心しないとできないとか、そう言われていましたが、これからは普通の裁判官が普通に判決して差し止めることができる時代が切り開かれる可能性があるのだと思います。」(拍手、拍手…)
この後は、会場に配られた基調報告にそったお話でした。
→基調報告(PDF)はこちらから
日野町長 藤澤直広さんの連帯挨拶 「私たちには3・11の現実を見る責任がある。もっと教訓とされなければならないあの事故から5年の時期に画期的な判決が出た。みなさんの世論がとどいたのです。原発をなくし自然と共存する転換点として力をあわせなければ」と訴えられました。
元愛荘町長 村西敏雄さんの連帯挨拶 「なぜ町長をやめたのかと言われるんですが、私は自分の良心に従った生き方がしたい。町長というのは時の政権によかろうが悪かろうが、媚びなんだら補助金もらえんのですよ。そういうところで意地悪されるんですね。そういうことがあって、自分の良心に正直に生きたいなと思って頑張っています」と語り、笑いをとっておられました。同時に拍手も♪
県内避難者訴え 青田勝彦さん
「私は福島第2原発差止裁判で足かけ18年、負け続けてきましたが、勝ったのは初めてで天にも昇る気持ちでした。」福島県南相馬市から大津市に避難している青田さんが訴えました。 「福島県民は今、深刻な分断と対立の中に置かれています。福島原発を中心にコンパスで引いたような線を見ると思いますが、あの線によって住民は運命を変えられたのです。20キロまでは強制避難、30キロまでは自宅待機か自主避難、30キロ以上はおかまいなし。それだけでなく20キロまでは賠償の対象、30キロは補償の対象、30キロ以上はおかまいなし。おなじ市で、道路一つ隔てて補償の対象になる市民とならない市民がいる。最初から計算づくだったみたいです。もらえる人ともらえない人で感情が対立します。ずっと5年間こういうことをやってきました。最近は県外避難者に帰還をせまり、帰らないと補償を打ち切るという。レントゲン室で子育てができますかという言葉通り、苦しい状況におかれています。帰ることをあきらめて家を新築したら『原発賠償御殿 仲良くしない (お金)やりすぎ』と落書きされた、そんなことがあちこちでおきています。知らない人は、(避難者は)すごいお金をもらっているんだと、そんなやり方で分断されています。
国は森林除染をしないと言います。福島は7割が森林です。山村の人への棄民です。わたしたちは切り捨てられています。
最近、避難者が10万を切った、復興が進んだと報道された。とんでもないです。おどしでかえったひとも沢山いる。5年たっても10万人が避難しているのは大変なことです。こんな状況を作ったのは誰かと問い続けたいです。10万人が人生計画を断ち切れらたのです。」 「日本人は原発と共存できないのですから、最後の一基が止まるまで頑張りましょう」
中川敬さんのライブがありました♪ 中川さんは子どもの頃、この近所にお住まいで、会場の膳所公園が遊び場だったそうです。
素晴らしいうたの数々と(もちろん「満月の夕」も♪)トークで会場は大盛り上がり!!
集会の最後は、コールに合わせて「高浜・大飯原発 再稼働NO!」のカードを掲げてアピールです♪
パレードに出発。
「キケンな原発いますぐ止めろ」「全ての原発 廃炉・廃炉」「原発動かす総理はいらない」「高浜止めた みんなで止めた」「東電・政府は責任を取れ」「子どもを守れ いのちを守れ びわこを守れ」
大津パルコまえまで声を挙げながらパレードしました。 原発のない社会は実現できます。みなさん頑張りましょう♪
(ちなみに去年は1000人でした。)
集会の基調報告を高浜差止め仮処分の住民側弁護団長の井戸謙一弁護士が行いました。大津地裁決定の2つの特徴についてはじめにお話しされましたので、その部分をほぼそのままお知らせします。
こう語り始めた後、決定の特徴に触れます。
振り返って考えると、福井地裁の樋口裁判長は福島の事故の経験を踏まえて、万が一にも同じことが起こる危険があるなら差し止めなければならない、それをしないのは裁判所の責任放棄だと言いました。一方、昨年の仮処分を取り消した林裁判長は、福島の事故の教訓を全く判断内容に生かしていません。事実として福島事故が起こったことは書かれていますが、それが判断内容に、教訓になっていない。こう考えると、裁判官が福島事故を真摯にとらえて、どう教訓化して判断内容に取り込んでいくのか、その姿勢の有無が決定の結論を分けるということがよく分かった。これが1つめです」
福島事故の後、原子力基本法という一番大事な法律が変わっています。何が書き加えられたかというと、法律の目的は国民の生命、健康、財産を守ること、環境を保全すること、そのために国際基準に則らなければならないと法律に書いています。国際基準は何かというと、IAEAの深層防護という考え方です。5層の防護ともいいますが、①トラブルを起こさない ②起きても拡大しない ③過酷事故に至らせない ④過酷事故が起きてもできるだけ小さくする ⑤避難計画で住民を守る、これらはそれぞれ独立していなければならないと考えられています。日本の安全基準は3・11以前は3層までしか審査しませんでした。日本で過酷事故は起こらないことになっていたからです。だから4層のシビアアクシデント対策、5層の避難計画は審査の対象となっていなかった。これがダメだいうことで新基準ができたが、4層は取り込みましたが5層は取り込んでいません。シビアアクシデント対策は審査の対象となりましたが、避難計画は対象になっていない。だから、これは国際基準に則っていないんです。原子力基本法に違反しているんです、今の新規制基準は。」
昨年末の福井地裁は、関電は3層までの対策をしっかりしているから過酷事故が起こることはまず考えられない、だから4層、5層は審査しなくていい、と言った。IAEAの5層の防護に反していて原子力基本法に反する考え方です。
今、裁判所が運転を認めようと思ったら、避難計画の問題について実効性ある計画ができているという非常識な判断をするか、審査しなくていいという国際基準と原子力基本法に反した判断をするか、どちらかしかない訳です。
この後は、会場に配られた基調報告にそったお話でした。
→基調報告(PDF)はこちらから
日野町長 藤澤直広さんの連帯挨拶
元愛荘町長 村西敏雄さんの連帯挨拶
県内避難者訴え 青田勝彦さん
「私は福島第2原発差止裁判で足かけ18年、負け続けてきましたが、勝ったのは初めてで天にも昇る気持ちでした。」福島県南相馬市から大津市に避難している青田さんが訴えました。
国は森林除染をしないと言います。福島は7割が森林です。山村の人への棄民です。わたしたちは切り捨てられています。
最近、避難者が10万を切った、復興が進んだと報道された。とんでもないです。おどしでかえったひとも沢山いる。5年たっても10万人が避難しているのは大変なことです。こんな状況を作ったのは誰かと問い続けたいです。10万人が人生計画を断ち切れらたのです。」
中川敬さんのライブがありました♪ 中川さんは子どもの頃、この近所にお住まいで、会場の膳所公園が遊び場だったそうです。
素晴らしいうたの数々と(もちろん「満月の夕」も♪)トークで会場は大盛り上がり!!
集会の最後は、コールに合わせて「高浜・大飯原発 再稼働NO!」のカードを掲げてアピールです♪
パレードに出発。
「キケンな原発いますぐ止めろ」「全ての原発 廃炉・廃炉」「原発動かす総理はいらない」「高浜止めた みんなで止めた」「東電・政府は責任を取れ」「子どもを守れ いのちを守れ びわこを守れ」
大津パルコまえまで声を挙げながらパレードしました。
by nonukes_shiga
| 2016-03-15 20:46
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