2015年 03月 17日
滋賀県議会・本会議傍聴報告。高浜再稼働反対請願逆転否決!! |
3月16(月)、滋賀県議会の本会議がありました。傍聴の報告(請願と意見書の部分)です。
☆請願の詳しい内容は2月24日の記事をご覧ください☆
まず、総務・企業常任委員会委員長の川島議員より審査結果について報告:「お手元にある審査結果報告書のとおりです」と。←これでは何のことかわかりませんが、賛成多数により「採択すべきもの」と決したということです。
チームしがの沢田議員による討論がありました。
~~~沢田議員の討論~~~
☆聞き取りメモですので、聞き間違い・聞き漏らしはご容赦ください☆
請願の要旨は、福島原発事故から4年が経ったが、毎日多量の放射性物質が大気中や海洋に拡散されていて、約12万人もの人々が避難生活をしている。安倍首相が1月30日の衆議院予算委員会で「収束という言葉を使う状況にはない」と言ったような実態にあるということ。原子力規制委員会は2月12日に高浜原発3,4号機についての審査書を正式に決定した。事故時の避難計画は再稼働の要件となっていないという問題点。再稼働の可否は地元の意向を踏まえて判断するとされているが、国や関電は地元の範囲を立地自治体に限定している。30km圏(UPZ)に位置する自治体は地域防災計画(原子力防災対策編)の策定が義務受けられているし、滋賀県においても飲料水の摂取制限や、予測されるセシウム、放射性ヨウ素への対応がまだ十分されておらず、マイカー避難の際の中継地点での除染や、駐車場の確保、国道161号線等への寸断時の対応が今後の課題であることなど、基本的なことがまだ解決されていない。再稼働中に福島原発波の事故が起これば、住民の命や健康に大きな被害を受けることが避けられないし、びわ湖が汚染されることによる影響は計り知れない。関電の重大事故想定では、事故発生から炉心損傷開始まで19分とされており、その間に被ばくせずに避難することは不可能である。過酷事故時のリスクを多大に負っている点では立地自治体と変わりない。私たち滋賀県の意向を踏まえない中では再稼働をしないように強く求める、というものです。
この請願は委員会で賛成多数で採択すべきものと決めた。
私どもは考える。国策で推進されている原子力政策だから、今この時期に、国民である私たちが意見を表明するのは当然の権利だ。滋賀県議会議員としてこの趣旨を踏まえた意見書を提出するのは当然のことであり、未来世代に対してびわ湖を守る滋賀県としての義務だ。福島原発事故の同じ年の7月定例議会では皆様方、すべての方が賛同して、放射性物質による汚染防止のための安全対策に関する意見書を国に出した。私たちが滋賀県としてできることを国に向かってしてきた。しかしまだ解決していない。
福島事故の実態からみると、立地自治体以外にも高濃度の放射能が拡散してしまった。それは同心円状に広がるものではない。事故直後の3月21日には、200km離れた東京の金町浄水場の水道水から値を大幅に超えるものが検出されたし、乳幼児への飲用を制限された。たくさんの都民のみなさんが混乱し困った。関西からも幼い子どもを育てるうえで安全な水が手に入らない人たちのことを思い、ペットボトルの水を送った。それでこの関西でも店から水がなくなった、ということがあった。安心して飲める水がなくなったら命が危険で、世の中に混乱が起こることははっきりしている。
この間、滋賀県の環境科学研究センターで緊急に取り組んでまとめた拡散予測が公表されたが、それは防災計画の見直しや避難計画にも反映されている。UPZ圏内とは、福島事故の後で、事故の実態から見て国が示した範囲の30km圏内だ。この30km圏内にある自治体の中で、距離は同じなのに、自治体の扱いに格差があってはならない。人が住み、学び、働き、中には病んでいる人、一人では動けない人もいる。過酷事故が起こったらどうするのか我が身に置き換えて考えたい。
国策と言っても、懸念されることは大いに指摘し、改められるように求めるのが今の時代、地方議会の重要な役割であり、ぜひ、議員のみなさんがたにはこの請願に賛同してほしい。
私は去る3月8日、ある講演を聞いた。茨城県東海村。ここは原子力の平和利用のために研究施設・関連施設をいち早く誘致した東海村の元村長さんの話を聞いた。1999年に発生したJCOの事故で、死者2名、重症者1名、一般住民約600名が被ばくされた。その元村長さんが言われるには、原発の安全神話は、そのような実態があったのにまったく改められてこなかった。国策で反省をしない原子力ムラの体質の中で、福島の事故は起こった。そのことを反省しながら、福井県に隣接し、1450万人の水源・びわ湖がある滋賀県だからこそ、ここへ来て、東海村の村長として話をしたいと思ってやって来た、と言われ、原発でもし事故が起きれば、命と水を守るのに大変になるんだとせつせつと話された。
いつ発生するともわからない地震に備えるのはそこに住むすべての人の役割だ。4年も経ってふるさとへ戻れないたくさんの方々の思いがある。滋賀県としては、節電をし、省エネをし、電力消費のピーク時カット、電灯の切り替えや、土地利用計画を変えてでも太陽光発電を取り入れ、原発に頼らないでもなんとかやっていけないか、乗り切れないかと、県民・行政も一緒になってしてきた。
したがって、まだ30km圏内の同意をちゃんと得られていない間に再稼働しないでほしいという請願に対して、ぜひ議員の皆様方の賛同をいただき、国に対してもちゃんと意見を出していけるようにご賛同をよろしくお願いします。
そして採決。
賛成は、チームしが(17人)と公明(2人)、無所属のつただ議員と自民党の大野議員の21人。
退席が自民党の細江議員。
反対は、自民党(大野議員・細江議員以外)19人とさっしん(議長はさっしんの赤堀議員ですが議長は採決に加わらない)4人と無所属の木沢議員の24人。
21対24で少数否決となりました。
その後、この請願に対応する意見書について採決されました(意見書の提出を求める請願だからです)。
結果は請願と同じく、21対24(退席は細江議員)で少数否決されました。
議会の前に、ある議員に廊下で偶然会って、「こんにちは」とご挨拶したら、「いろいろありましてねぇ、すいませんねぇ」といきなり謝られました。「反対するけどごめんね」という意味だったのですが、原発事故が起きて県民が被ばくしたら「すいませんねぇ」ではすまへんのよ。
議会が終わってから帰りしなに駅で、傍聴された方が大野議員に偶然会ったそうです。「自民党ですのに賛成していただいてありがとうございます」と声をかけると、「原発は国策としてしている。その国策としてしている原発に県民の皆さんが不安を覚えているという事を県議として国に声を届けるという事が大事といつも、皆に言っている」と言ってくれたそうです。
その通りですよね。
大野議員、討論をしてくださった沢田議員をはじめ、賛同してくださった議員のみなさん、ありがとうございました。
そして賛同されなかった議員のみなさんも、もう一度よく考え直していただき、ぜひとも考えを改めてほしいものです。
6日に行われた委員会では「採択すべきもの」とされたのに、本会議で意見書を否決したのは、滋賀県民として恥ずかしいことと感じます。
県民の声を反映した県議会になってくださいね。
これまで応援してくださったみなさん、ありがとうございました。
今後ともよろしくおねがいします ♪
☆請願の詳しい内容は2月24日の記事をご覧ください☆
まず、総務・企業常任委員会委員長の川島議員より審査結果について報告:「お手元にある審査結果報告書のとおりです」と。←これでは何のことかわかりませんが、賛成多数により「採択すべきもの」と決したということです。
チームしがの沢田議員による討論がありました。
~~~沢田議員の討論~~~
☆聞き取りメモですので、聞き間違い・聞き漏らしはご容赦ください☆
請願の要旨は、福島原発事故から4年が経ったが、毎日多量の放射性物質が大気中や海洋に拡散されていて、約12万人もの人々が避難生活をしている。安倍首相が1月30日の衆議院予算委員会で「収束という言葉を使う状況にはない」と言ったような実態にあるということ。原子力規制委員会は2月12日に高浜原発3,4号機についての審査書を正式に決定した。事故時の避難計画は再稼働の要件となっていないという問題点。再稼働の可否は地元の意向を踏まえて判断するとされているが、国や関電は地元の範囲を立地自治体に限定している。30km圏(UPZ)に位置する自治体は地域防災計画(原子力防災対策編)の策定が義務受けられているし、滋賀県においても飲料水の摂取制限や、予測されるセシウム、放射性ヨウ素への対応がまだ十分されておらず、マイカー避難の際の中継地点での除染や、駐車場の確保、国道161号線等への寸断時の対応が今後の課題であることなど、基本的なことがまだ解決されていない。再稼働中に福島原発波の事故が起これば、住民の命や健康に大きな被害を受けることが避けられないし、びわ湖が汚染されることによる影響は計り知れない。関電の重大事故想定では、事故発生から炉心損傷開始まで19分とされており、その間に被ばくせずに避難することは不可能である。過酷事故時のリスクを多大に負っている点では立地自治体と変わりない。私たち滋賀県の意向を踏まえない中では再稼働をしないように強く求める、というものです。
この請願は委員会で賛成多数で採択すべきものと決めた。
私どもは考える。国策で推進されている原子力政策だから、今この時期に、国民である私たちが意見を表明するのは当然の権利だ。滋賀県議会議員としてこの趣旨を踏まえた意見書を提出するのは当然のことであり、未来世代に対してびわ湖を守る滋賀県としての義務だ。福島原発事故の同じ年の7月定例議会では皆様方、すべての方が賛同して、放射性物質による汚染防止のための安全対策に関する意見書を国に出した。私たちが滋賀県としてできることを国に向かってしてきた。しかしまだ解決していない。
福島事故の実態からみると、立地自治体以外にも高濃度の放射能が拡散してしまった。それは同心円状に広がるものではない。事故直後の3月21日には、200km離れた東京の金町浄水場の水道水から値を大幅に超えるものが検出されたし、乳幼児への飲用を制限された。たくさんの都民のみなさんが混乱し困った。関西からも幼い子どもを育てるうえで安全な水が手に入らない人たちのことを思い、ペットボトルの水を送った。それでこの関西でも店から水がなくなった、ということがあった。安心して飲める水がなくなったら命が危険で、世の中に混乱が起こることははっきりしている。
この間、滋賀県の環境科学研究センターで緊急に取り組んでまとめた拡散予測が公表されたが、それは防災計画の見直しや避難計画にも反映されている。UPZ圏内とは、福島事故の後で、事故の実態から見て国が示した範囲の30km圏内だ。この30km圏内にある自治体の中で、距離は同じなのに、自治体の扱いに格差があってはならない。人が住み、学び、働き、中には病んでいる人、一人では動けない人もいる。過酷事故が起こったらどうするのか我が身に置き換えて考えたい。
国策と言っても、懸念されることは大いに指摘し、改められるように求めるのが今の時代、地方議会の重要な役割であり、ぜひ、議員のみなさんがたにはこの請願に賛同してほしい。
私は去る3月8日、ある講演を聞いた。茨城県東海村。ここは原子力の平和利用のために研究施設・関連施設をいち早く誘致した東海村の元村長さんの話を聞いた。1999年に発生したJCOの事故で、死者2名、重症者1名、一般住民約600名が被ばくされた。その元村長さんが言われるには、原発の安全神話は、そのような実態があったのにまったく改められてこなかった。国策で反省をしない原子力ムラの体質の中で、福島の事故は起こった。そのことを反省しながら、福井県に隣接し、1450万人の水源・びわ湖がある滋賀県だからこそ、ここへ来て、東海村の村長として話をしたいと思ってやって来た、と言われ、原発でもし事故が起きれば、命と水を守るのに大変になるんだとせつせつと話された。
いつ発生するともわからない地震に備えるのはそこに住むすべての人の役割だ。4年も経ってふるさとへ戻れないたくさんの方々の思いがある。滋賀県としては、節電をし、省エネをし、電力消費のピーク時カット、電灯の切り替えや、土地利用計画を変えてでも太陽光発電を取り入れ、原発に頼らないでもなんとかやっていけないか、乗り切れないかと、県民・行政も一緒になってしてきた。
したがって、まだ30km圏内の同意をちゃんと得られていない間に再稼働しないでほしいという請願に対して、ぜひ議員の皆様方の賛同をいただき、国に対してもちゃんと意見を出していけるようにご賛同をよろしくお願いします。
そして採決。
賛成は、チームしが(17人)と公明(2人)、無所属のつただ議員と自民党の大野議員の21人。
退席が自民党の細江議員。
反対は、自民党(大野議員・細江議員以外)19人とさっしん(議長はさっしんの赤堀議員ですが議長は採決に加わらない)4人と無所属の木沢議員の24人。
21対24で少数否決となりました。
その後、この請願に対応する意見書について採決されました(意見書の提出を求める請願だからです)。
結果は請願と同じく、21対24(退席は細江議員)で少数否決されました。
議会の前に、ある議員に廊下で偶然会って、「こんにちは」とご挨拶したら、「いろいろありましてねぇ、すいませんねぇ」といきなり謝られました。「反対するけどごめんね」という意味だったのですが、原発事故が起きて県民が被ばくしたら「すいませんねぇ」ではすまへんのよ。
議会が終わってから帰りしなに駅で、傍聴された方が大野議員に偶然会ったそうです。「自民党ですのに賛成していただいてありがとうございます」と声をかけると、「原発は国策としてしている。その国策としてしている原発に県民の皆さんが不安を覚えているという事を県議として国に声を届けるという事が大事といつも、皆に言っている」と言ってくれたそうです。
その通りですよね。
大野議員、討論をしてくださった沢田議員をはじめ、賛同してくださった議員のみなさん、ありがとうございました。
そして賛同されなかった議員のみなさんも、もう一度よく考え直していただき、ぜひとも考えを改めてほしいものです。
6日に行われた委員会では「採択すべきもの」とされたのに、本会議で意見書を否決したのは、滋賀県民として恥ずかしいことと感じます。
県民の声を反映した県議会になってくださいね。
これまで応援してくださったみなさん、ありがとうございました。
今後ともよろしくおねがいします ♪
by nonukes_shiga
| 2015-03-17 18:46
| 滋賀の動き
|
Comments(2)
Commented
by
tomoyoshikatsu at 2015-03-17 22:45
こんばんは m(__)m
【 國 】『 立地自治体 』は 原発廃炉へと 動こうとしないのか 理解できません!
《 耐震性 》と 〔 避難経路 〕その他も「 万全 」等と思っているのでしょうが!
【 想定 】と云う言葉は〈 人間社会 〉だけに通用する言葉です
3・11クラスの《 地震 》は、必ずやって来ます!その、危険性は[ 数値 ]で表記して( 身内 )
そのまま國民に伝える事が どんな事なのか、、、 一人ひとり考えるべき時!なんですが・・・・
目先の『 楽 』を選ぶ ……………… 困った連中が多すぎます!
《 使用済 核燃料棒 》を処理・埋蔵( この方向ですよね )するのは、、
自分達の 子供や孫達!である事を 解って 推進させていく気なんですよね(ーー;)
[ 被爆 ]は、、、絶対に有り得ない!!!確信して・・・子孫に丸投げ?
( その頃は「 墓 」の中でしょうか・・・ )無責任な お、と、な、た、ち、!!と云われるでしょう
しかし…………「 政府 」任せの政治、政策、を壊さない事には 安全な未来はやってこないでしょう
【 國 】『 立地自治体 』は 原発廃炉へと 動こうとしないのか 理解できません!
《 耐震性 》と 〔 避難経路 〕その他も「 万全 」等と思っているのでしょうが!
【 想定 】と云う言葉は〈 人間社会 〉だけに通用する言葉です
3・11クラスの《 地震 》は、必ずやって来ます!その、危険性は[ 数値 ]で表記して( 身内 )
そのまま國民に伝える事が どんな事なのか、、、 一人ひとり考えるべき時!なんですが・・・・
目先の『 楽 』を選ぶ ……………… 困った連中が多すぎます!
《 使用済 核燃料棒 》を処理・埋蔵( この方向ですよね )するのは、、
自分達の 子供や孫達!である事を 解って 推進させていく気なんですよね(ーー;)
[ 被爆 ]は、、、絶対に有り得ない!!!確信して・・・子孫に丸投げ?
( その頃は「 墓 」の中でしょうか・・・ )無責任な お、と、な、た、ち、!!と云われるでしょう
しかし…………「 政府 」任せの政治、政策、を壊さない事には 安全な未来はやってこないでしょう
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Commented
by
nonukes_shiga at 2015-03-18 09:58
tomoyoshikatsu様
おっしゃる通りです。立地自治体は、原子力産業で生活している方々がたくさんおられるから反対しにくいのだと思いますが、滋賀県は、堂々と反対をし、国に意見を述べて当然だと思っています。ですのに残念です。
でも、まだまだあきらめずに続けていきたいと思います。
今後ともよろしくおねがいします
おっしゃる通りです。立地自治体は、原子力産業で生活している方々がたくさんおられるから反対しにくいのだと思いますが、滋賀県は、堂々と反対をし、国に意見を述べて当然だと思っています。ですのに残念です。
でも、まだまだあきらめずに続けていきたいと思います。
今後ともよろしくおねがいします